伝統草農法

農薬不使用で安心の有機野菜を生産しています

モアーク農園のあるつくば市は茨城県南部に位置する市で、学術・研究都市として発展し、JAXA(筑波宇宙センター)があることで有名です。

地形は、筑波山周辺を除き関東平野の一部であり、筑波大地とよばれる平たんな地形に田や畑、果樹園などの農地が広がっています
このつくば市を拠点に置くモアーク農園は、有機JAS認定を受け、約9haの畑で有機野菜の生産を行う農業法人です。 “草農法”と呼ばれる伝統的な農法を用いながら、真に安全な農産物の普及を目標に、日々研究と実践を重ねる全く新しいスタイルの農業を行っています。

大学や大学院で農業などを学び、有機野菜の新しい未来を切り開こうとする若者たちを中心にスタートし、現在約20名の社員と約70名の熟練スタッフが働いています。

有機農業に欠かせない雑草取り

モアークで働くスタッフのチームワークを束ねるのは創業メンバーの浅野裕子です。
小さい頃、農業で世界の食糧問題を解決したいと考えたのがきっかけで農学部へ進学しました。しかし学生時代教わったのは農薬と化学肥料に頼る農業のみで、農薬のない途上国でもできる有機農業に関心を持っていました。

モアークはパラオでオーガニックファームを軌道に乗せ、日本で農園を立ち上げたのが2000年。浅野は、現地にある物だけを使って有機農業を成功させたことに興味をもち、“有機農業を学びたい”という思いでモアークへ入社しました。
はじめの1年は石ころ広いからはじまり、たい肥上の草をひたすら切る毎日。ようやく最初の作物がとれて、ベビーリーフの出荷をスタートしたのは1年以上経ってからでした。
「味も香りも違う。食べて嫌なえぐみも感じられず、誰もが安心して気持ちよく食べられる。それが有機野菜のいいところなんです。」
と浅野が話すとおり、今では一流レストランのシェフに認められ指名されることも多くなりました。

自然の循環を楽しめる草農法

モアークのおいしさの源は自然循環型の草農法にあります。
一般的な畑は作物を収穫した後は栄養が失われるため、化学肥料を使い栄養を与えます。

草農法では枯れた植物が微生物や動物によって分解された腐葉土を土に混ぜ、再び植物の栄養とします。植物に使う栄養を植物から与える、自然の形に近い農法ゆえ、畑に生命力がみなぎります
草農法は、雑草との闘いでもあります。夏は毎日雑草取りに追われ、農薬が必要とされる理由を改めて思い知らされます。
畑には栄養豊富なたい肥を混ぜるため雑草がよく生えるので、これを摘む作業があり、葉に着いた虫を手作業でよけるときも農薬の必要性を感じずにはいられません。
「でも、この闘いがあってこそいい作物が生まれる、自然界の循環を見ることができるのが草農法の何よりの楽しみです」と浅野は話します。

時とともに変化する有機農業への思い

当初は農園に併設された寮で仕事中心の生活を送っていた浅野。けれども結婚、出産を経験し変わっていく生活の中で、農業に対する目線も変わっていきます。
「どんな風に生活が変わっても関わっていけるのが農業のいいところだと思います。自分たちが生産する野菜に対して、生活の変化とともに新しい価値が見えてくるのもおもしろいですね」
また、2009年からは小学校での有機農業の指導と畑づくりがスタートし、有機農業の普及に努めています。将来的には有機農業がもっと普及し、当たり前の農法にできればと考えています。つくば農園はそうした教育や、全国へ出荷する野菜生産の拠点となっています。